モラハラブログ~モラルハラスメントな人々~

自己愛性人格障害者、モラハラについて語っていきます

モラハラは普通の「家庭危機」と比べてなぜ深刻化しやすいのか

何度も記事内に書いている通り、

モラルハラスメントというものは、

 

その行動だけみていると、

そこまで異常性を感じないひとも

いるかと思う。

 

だから、

被害者が第三者に相談しても、

「こだわりが強い人はいるよ」

「そんな言い争いはどこにでもあるよ」

という話に終始する。

 

被害者自体も、

モラハラだと気付いていない場合は、

行動でモラハラ加害者の異常性を

訴えるしかない。

 

しかし、それは相談相手によっては失敗に

終わる。

 

どれだけ横暴に働こうとも、

「男なんて(女なんて)そんなもんだよ」

と、

「いくら夫婦だろうと

最悪の状態はそんなもんに皆がなるよ」

と説教をくらいがちだ。

 

それは、その通りだから。

 

 

これが、

「行動だけではモラハラとはいえない」

「行動だけではモラハラの異常性を

理解してはもらえない」

という一つの因子となり、

 

「いくら行動が異常だから、

相手のことを考えていないような

態度や言動といっても、

それだけではモラハラとはいえない」

 

という理由にもなる。

 

 

暴言・暴力・人格否定だけでは、

モラハラとはいえない。

 

暴言を吐くことも、

暴力を振るうことも、

人格否定も、

 

もちろん先に言ったように

「夫婦生活の最悪の状態」のときには

一時的に、あるいは離婚するまで

そういう状態は続くかもしれない。

 

「そんなの、どこだってそうでしょ?」

 

という意見が出るのは真っ当だ。

 

 

ではなぜ、モラハラというものが

深刻化しやすいのか。

 

 

普通の家庭が壊れそうになる場合、

最初は結婚しているのだから

勿論「愛し合っていた」か、

 

結婚せざるを得ない理由(子どもが

出来た、長年付き合っていて

責任をとらないと

いけなくなった、など)が

できてお互い結婚する。

 

愛し合っていれば

結婚した瞬間は

「この関係は永遠だ」とか

思い込んでいる人も

いるかもしれないし、

 

仕方なく結婚した場合は、

「まあ、出会ったころの愛情はないけど・・・」

「もしかしたら離婚するかもしれないな」

なんて考えている人間もいるかも

しれない。

 

どちらの場合も、

「結婚生活が破綻しない」

とはいえない。

 

不倫がばれればどれだけ愛し合っていても

一気に関係が崩れるかもしれないし、

 

どちらかが子育てより何かを優先したり、

一緒にいすぎて居て当たり前の存在に

なってしまい、

 

お互い尊重することもなくなったり。

 

お互いを知ればしるほど、

いらいらして喧嘩したり、

時には暴言を吐いたり、

時にはどちらかが手が出てしまうことも

良いか悪いかはまた別として、

 

「現実世界にそういう話はいくらでもある」。

 

どの場合でも、

「不倫は許せないけどまだ愛しているし」

「相手のことはそこまで好きじゃないけど

離婚するほどのことじゃないし」

 

などという理由で離婚を留まり、

 

あまりにもその結婚生活を続けることが

「自分の人生」にとって

あまり意味を為さない・

あるいは不都合なものになるならば、

 

離婚、

あるいは別居という決断をする。

 

それは、

どの人間もそうである。

 

 

しかし、

片方がモラハラ加害者の場合は

そこがまず大きく異なる。

まず、自分がどれだけ毎日

大騒ぎして、

 

どれだけ相手に対して

「結婚なんかしたくなかった」

「お前のせいだ」

「そんなことも出来ないなんて」

 

なんて言いつづけていたとしても、

 

「家庭が壊れそうだ」

なんてことは、微塵も思っていない。

 

 

なぜなら、

モラルハラスメントというのは、

自己愛性人格障害という

「人格障害者」が

引き起こすものであり、

 

人格障害者というのは

心理学的・精神医学に、普通の心の変遷とは

異なったパターンを持つ

人間達だ。

 

「オカシイなら人格障害」

「ちょっと被害的なら精神障害」

というざっくりしたものではない。

 

 

「うつ病」なら被害妄想が出たり、

「統合失調症」なら幻聴が聞こえたり、

などと様々な症状がでるからこそ、

 

そういう診断がつく。

 

つまり自己愛性人格障害者も、

「そういう症状のもと」に

加害者となり

被害者を苦しめる。

 

 

それゆえ、

それだけ家庭がぼろぼろになっても、

被害者が弱りきっても、

加害者自身が

「もう離婚だ」

「こんな生活はもうごめんだ」

 

なんて言っていたとしても、

実際に離婚したり離れたりすることは

まずしない。

 

普通であれば、

「もうこの家庭は修復できないから

離れるしかない」

「自分も幸せになれないから離婚しかない」

 

「相手も大嫌いだし顔も見たくない

(あるいは愛しているけど

信じられない)、離婚しかない」

「離婚はしたくないから

別居しかない」

と思ったら、

 

離婚というものを考え、

離婚に向けて話し合う。

 

配偶者では自分の心を満たせないことを、

分かっているから。

他のもので満たしたり、

家庭とは別の場所を求める。

 

 

ところが相手のモラハラ加害者の場合、

被害者自身の精神がぼろぼろになっていようと、

加害者自身が「こんな生活!不幸なままだ!」と

騒いでいても、

 

絶対に離婚はしない。

 

 

なぜなら加害者の心は、

「不幸だと騒ぐことで、全ての責任を相手に

押し付けて、自己愛を満たす」

 

ことだけが目標のため、

 

離婚してしまったら、

責任を押し付ける相手が

いなくなってしまう。

 

 

普通の人が

「幸せになることが目標」

「何か地位や名声を得ることが目標」

「お金を確保するため」

「一人は嫌だから」という名目で

結婚するなら、

 

モラハラ加害者は

「自己愛を満たすためだけに、

防衛機制が勝手に働き、

全ての責任を押し付けたり

相手に加害する」、

 

そのための要因としてそばに

置いておくために

結婚する。

 

しかもモラハラ加害者は

そのことに気付いていない。

 

だから例えば

相手が「お前となんて結婚

したくなかった」

「クズでしかない」

「低給のくせに」

「もうこんな生活

してられない」

 

などと仕返しに

散々言ってしまったとすれば、

 

「なんだと!もういい離婚だ!」

 

といい実際離婚届を書かせて

提出しそうなものだが、

 

言われた相手が

加害者の場合、まず離婚にはならない。

 

 

なぜなら、

先ほど述べたように

離婚してしまえば

「自分が傷つけて

自己愛を満たす相手を失う」

 

ということ、

あと

「被害者からの酷い罵倒」

というのは、

 

普通の人間には耐え難いことでも

加害者にとっては

「ほらそういう罵倒をするなんて

やっぱりお前のほうが悪いな。

ということは自分のほうが正義だ。

シメシメ」

 

と心自体はしてやったりと

思っているため

(感情としてはもちろん激怒して

いるが、

加害者の自己愛を満たすためには

うってつけ・予想通りの反応のため)、

 

「ふざけるな!煽るな!」

 

なんて暴れて物を破壊して

あるいは被害者を

殴り飛ばしたとしても、

 

 

加害者の奥底は、

「予定通りだ。自己愛を満たすために

この手段はこれからもたくさん

使えるぞ」なんて

感じているのである。

 

つまり、

「普通」のようにお互いの主張を押し通すために

喧嘩し

その喧嘩が嫌になって離婚するのではなく、

 

被害者の暴言というのは、

加害者にとって

「正義の鉄槌」を下すために

自分が「正義」で「偉大」であるために

必要不可欠なもので、

 

 

被害者の罵倒が酷ければ酷いほど、

あるいは被害者が傷つけば傷つくほど、

加害者にとっては

「自己愛を満たす絶好のエサ」

でしかない。

 

だから、

実際に離婚するなんてことは

まず考えない。

 

だから「もう離婚だ!!!」

なんて叫んだとしても、

 

被害者がじゃあ離婚届もう出してきます

なんて行動を初めて起こすと、

「いや、離婚は考えていない」

なんて答えだけが残る。

 

「もう疲れたから別居しよう」

なんて考えも理解できない。

 

被害者としてそんなに優秀な相手を、

手放すなんて考えないし、

 

 

その「相手は自分」という

思い込みをする症状ゆえに、

 

まず相手が別居したいとか

離婚したいとか

考えていること自体が

理解できないし、

認められない。

(口ではそういうふりはしたとしても)

 

モラルハラスメントを続けるためなら

どういう形ででも接触を

続けようとする。

 

無理やり別居や離婚されたとしても、

モラルハラスメントが出来る

場所に

とにかく執拗に居ようとして、

 

そのための努力(懐柔・脅迫)は惜しまない。

 

 

一度、二度、 

モラハラ加害者との離婚や別居に失敗した人間は

それを知っているから、

 

逃げる気力を失ってしまう。

 

「もうこの家庭には価値がない」

から離婚、なんて行動は

モラハラ加害者はしないのだ。

 

「この家庭が機能しないのは

お前のせいだ」

「自分が不幸なのは周りのせいだ」

一生言い続けることが生きがいである

モラハラ加害者の心のうちは、

 

おそらく誰にも理解できない。

 

理解できるのは、

たまたま病識を自覚した、

わずかな自己愛性人格障害者

だけではないだろうか。